伝統に基づく自然発酵
マスト(発酵していない果汁、果醪)は冷却し、7~9°Cの温度で最大48時間まで維持するコールドセトリングを行います。その目的は、果実とテロワールの個性を最大限保つことにあります。
重い粒子が重力によって自然に底へ沈殿したら、質の高い繊細なワインを造るために上澄みの果汁を移します。この工程をデブルバージュと呼びます。
発酵は3~5日後にゆっくりと開始します。それぞれのブドウ品種ととテロワールに特有の香りと爽やかさを引き立てるために、温度は厳重に管理し続けます。天然酵母が糖分をアルコールに変化させるまでにかかる時間は15~18日間です。
ミュスカデ コート ド グランリュー シュール リーの発酵
当社のミュスカデ コート ド グランリュー シュール リーはシュール・リー製法で7~14か月の間熟成させています。「リー」とは、発酵が終わって不活性になった酵母から主に構成されるワインの澱を指します。
ミュスカデ地域特有の技術
シュール・リー製法による熟成と瓶詰めは、私たちの地域に特有の技術。この製法は当社のワインの香りを際立て、発酵の過程で発生する炭酸ガスの一部を残留させることができます。炭酸ガスを含むワインは、軽い発泡性を示し、清々しく爽やかな後味になります。
当然ながら、ミュスカデワインはアルコール度数の低い飲みやすい白ワインです。シュール・リー製法で熟成を行うと、ワインはしなやかで丸みを帯び、ミュスカデにテクスチャーや複雑さを与えることができます。
当社のワインの自然な安定化
ワインの不安定性の原因には自然に生成される結晶性の沈殿物があり、この沈殿物は「酒石」とも呼ばれます。酒石の正体は、ブドウによって土壌から抽出された塩が低温下で結晶化したものです。
赤ワインの場合、沈殿物が時間とともに堆積するため、この減少は殆ど問題になりません。一方、白ワインは通常味わう前に冷やすので、酒石は好まれません。
電気透析による酒石の安定化
ワイン酒石の不安定性を解決するためには複数の方法があります。ジェローム・ショブレのドメーヌでは、電気透析による酒石の安定化でどのワインも自然に安定化させており、添加剤や化学薬品などは一切添加していません。
電気透析とは、電流の作用を利用して膜により脱塩を行う技術です。この技術により、当社は安定剤を用いずに100%安定したワインを造り、生産過程で優れた時間効率も確保しています。こうして生まれた高い柔軟性を活かし、当社はお客様の納期に関する要件に応えています。
品質と保管性を保証する3段階の濾過
電気透析を行ってから瓶詰めを行うまでに、当社のワインは細かな濾過を3段階に渡って行い、最高の品質と保管性を保証しています。
「私はワイン醸造にも最高のブドウ栽培にも情熱を注いでいます。ワインに現れる最終的な味わいや香りは、強いものから繊細なものまで、ひとつひとつの工程に左右されます。」
ジェローム・ショブレ – ブドウ栽培家 – 感動の造り手
販売国に適応するワイン
生産するワインの90%を輸出している当社は、どの国へ出荷しても高品質の美味しいワインを提供することを目標に掲げており、ワインの特徴を調整できるワイン醸造プロセスを採用しています。
お客様の体験は多様であることから、当社はワインの品質に妥協することなく、ワイン造りの工程を販売国に合わせて調整しています。香り、ミネラル感、複雑性、アルコール度数は、収穫や気象条件のほか、販売国と販売業者の要求にも適応させています。